1月 072015
 

cakes によると。

2015年最初の「ワダアキ考」は、浅田舞を取り上げます。フィギュアスケーター・浅田真央の姉であり、自身もフィギュアスケートの選手ではあるのですがここ最近は雑誌のグラビアを飾るなどタレント活動を本格化させています。この年末年始もテレビに出ずっぱりだった彼女ですが、この先順調にタレントとして活躍していけるのでしょうか。武田砂鉄さんが分析します!

●「テレビ見ていても同じ人ばっかり出てきて飽きちゃうよね」

年始に街へ出かけると「テレビばかりだと飽きちゃうよね」という声と「テレビ見ていても同じ人ばっかり出てきて飽きちゃうよね」という声を捕獲する事ができる。1月2日に京王新線・幡ヶ谷駅構内でカップルから「テレビばかりだと~」を捕獲、翌3日には南武線・武蔵溝ノ口駅付近の車内で女性たちから「テレビ見ていても~」を捕獲することができた。

両方とも毎年繰り返されてきた声だが、前者については考察の余地がない。テレビばかりなのはアナタの責任である。では後者はどうか。「同じ人ばっかり」に該当する人は毎年同じではない。番組を取り仕切る人材は年末年始に限らず不動だから、年末から年始にかけて必要以上に見かけた誰かがその不満を引っ張り上げている可能性が高い。今回の年末年始で該当するのは新垣隆と浅田舞ではないか。どちらも能動ではなく受動の人物に見えるのだが、実はそれなりにアピールすることを忘れないという共通項があり、「またかよ」感がたちまち立ちこめてしまう。

●「真央は……」の散らつかせ方

今回は浅田舞に絞っていくことにするが、新垣にしても、浅田にしても、その当人よりも奥に、あれこれ尋ねたい対象がいるという構図が似ている。本人としては、新垣ならば音楽的才能、浅田であれば美貌やスタイル、自覚している売り出しポイントを持っているのだが、周囲はそこをダッシュで駆け抜けて、意中の人物の議題に辿り着こうとする。新垣はそのダッシュを引き受けてしまうから、動揺した表情も含めて面白可笑しく消費されている。しかし浅田舞は、時として、妹・浅田真央の話題まで一気に駆け抜けていこうとする番組の狙いを食い止める。ショートケーキのイチゴをいつ食べるか、最初か、途中か、最後か、番組側に決めさせない腕力がある。「真央は……」と終始散らつかせながら、真央との大喧嘩や真央の好きな男性のタイプについて激白するタイミングを見計らっている。

●「妹が有名なだけじゃん!」批判はチープである

長嶋一茂に長嶋茂雄の話を待望する濃度と、石原慎太郎に石原裕次郎の話を待望する濃度はまったく違う。二世は単純に馬鹿にされやすいが、兄弟/姉妹の間柄はたとえ倖田來未とmisonoであっても、わりかし慎重に取り扱われる。逆に言えば、当人達からのプレゼン次第で距離感を設定し続けることができる。自分の子供に対して積極的にそれを投じると、辻希美や安藤美姫のように噛みつかれてしまう。不思議なもので、視聴者は「親→子」「子→親」と違って「兄姉→弟妹」「弟妹→兄姉」にはひとまず頷こうとする。ところがここに「真央とは姉妹というより親友です」と加えてくる事で、心の内ですくすく育まれていく違和感。しかしそれは、あくまでも見ている側で処理しなければならない。「ってか、妹が有名なだけじゃん!」というチープさが、文句を投じた側のチープさとして跳ね返ってくる摩訶不思議。

●純血は純潔に勝る

安藤美姫がインスタグラムで新恋人と自分の娘との3ショットを公開するなど、(敢えて死語を使えば)イケイケな交際をオープンにしていることに対して、フィギュア界から「見る人の夢を壊してはいけない。荒川さんや浅田真央選手にみられるような純潔さが理想です」(Business Journal)という声があがっているという。「荒川さんや浅田真央選手」と一括りにすることに対しては、ルノアールの会議室を数時間貸し切って議論に臨む必要性を感じるが、ここに出てくる「純潔さ」には、日テレ内定アナウンサーが内定取り消しにあった際の「清廉性」と同様の本音が滲み出ている。まさか「離婚・子持ち」の交際は純潔さが皆無と仰るのでしょうか、と一応牽制。若い女性に「純潔」を期待する浅ましさに気づけないのは、会長自ら男子選手に無理チューしているスケート界だからなのかもしれないが、モラルのセンサーに触れまくる安藤と打って変わって、浅田舞については治外法権の気配が漂う。男癖を開けっ広げにしてもグラビアを披露しても、「見る人の夢」に抵触していかない。純血は純潔に勝るようなのである。

●名物ラーメンを食べずに、パーキングエリアで天ぷらうどん

浅田舞はいつも「ぶっちゃけます」という態度で番組に登場してくる。だから、番組は迂回したり直球で攻めたり作戦を選びながら、真央ネタにスムーズに辿り着くことに専念する。その攻防が繰り返されるから、たった3回くらいで見ただけで浅田舞に飽きてしまう。自身の結婚について、真央の言葉を援用して「ハーフハーフです」と答えるあの感じを受けて、浅田舞許容量がみるみるうちに満杯に近付いていく。真央へ辿り着く途中で舞に立ち寄りすぎて、舞に飽きてしまう。現地で名物ラーメンを食べるつもりだったのに、パーキングエリアで天ぷらうどんを食べてしまった感じ。この地点での栄養補給は臨んでいなかったのだが、という有り難迷惑がそろそろ表面化してきている。武蔵溝ノ口駅付近で女性たちから放たれた「テレビ見ていても~」は、耳をそばだてるとベッキーや有吉を指していた。それは違うんだ。年末年始の「同じ人ばっかり出てるから」という心象ってその時々だけの存在に起因する。今回は新垣隆と浅田舞。もう僕たちは、浅田舞が「彼にLINEして既読になって5分で返事が来なければ彼に電話する」ことまで知っているのである。この膨満感、正月太りをどうしてくれよう。

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