3月 252016
 

sippo によると。

 23日深夜、「SORAアニマルシェルター」(福島市)の二階堂利枝代表から、そんなメールが届いた。

 22日付朝日新聞朝刊に「震災後の寄付、分配に課題」という記事の冒頭で触れたのが、「アキちゃん」こと雄の秋田犬「アキタ」だった。そのアキタのエピソードや写真が、紙面に載った翌日の23日午後8時30分ごろ、息を引き取ったという。

 アキタは、東日本大震災から1カ月たった2011年4月中旬、福島第一原発の北に位置する福島県南相馬市内を放浪していたところを、ボランティアらによって保護された。猫に餌やりをしていたボランティアらのもとに、トコトコと早足で寄ってきたのだという。もともとは首輪につながれたまま取り残されていたとみられる。アキタが近寄っていく民家のそばには、引きちぎられたような大きな首輪が、鎖につながったまま落ちていた。

 保護されてしばらくすると、高齢者向け施設にいる男性が飼い主だと判明した。男性がアキタを飼育することは困難だったが、所有権は手放さなかった。SORAでの5年間にわたる暮らしが、始まった。

 二階堂さんによるとアキタは、外に出ること、顔をなでてもらうこと、優しく接してくれる人――が大好きだった。一方で、ほかの犬とすれ違うのは苦手で、雷を怖がるなど、臆病な性格も見られたという。

 そんなアキタに昨年5月、がんが見つかった。貧血のようにふらふらと歩く姿が見られるようになり、動物病院にかかったところ、がんだとわかった。すぐにがんの摘出手術をした。だが今年に入って転移が見つかり、かかりつけの獣医師から「余命はわずか」と告げられていた。

 余命宣告があってからは、スタッフがシェルターに泊まり込んで面倒を見ていた。天気のいい日には、スタッフの手助けで外に出る。外に出ると、日に当たりながら、気持ち良さそうにずっと眠っていたという。取材でSORAを訪れた2月29日も、スタッフの助けを借りながら、一生懸命に歩いていたのが印象的だった。

 二階堂さんはいう。

「飼い主さんに所有権があったので、里親さんを見つけてあげることはできませんでした。でも、『シェルターで死んだらかわいそう』とは思われないよう、スタッフみんなで一生懸命面倒を見てきました。いまごろ、がんの苦しみから解放されて、やっと自由に動けるようになったと、喜んで走り回っていると思います。震災から5年がたち、様々な理由で譲渡が難しい子たちが、ここには残っています。シェルターで終生飼養をしないといけないというステージになりつつあります」

 SORAでは、26日にアキタを火葬する予定だという。

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