4月 012016
 

dot. によると。

 世界フィギュアスケート選手権が3月30日、米国・ボストンで開幕する。男子シングルでは、世界の頂点を経験した3人がしのぎを削ることになる。

 フィギュアスケート2015-16年シーズンの頂上決戦となる世界選手権。日本勢は、男子シングルに羽生結弦(21)、宇野昌磨(18)、女子シングルに浅田真央(25)、宮原知子(18)、本郷理華(19)が出場。ペアとアイスダンスにも一組ずつを送り込む。

 最大の注目が男子シングルであることは、衆目の一致するところだろう。4回転ラッシュの時代を迎え、争いを制するためには4回転を跳ぶだけではなく、「数」と「質」でライバルを上回らなければならない。14年ソチ五輪を制した羽生、15年世界選手権を制したハビエル・フェルナンデス(24、スペイン)、11年から13年まで世界選手権を3連覇し、ソチ五輪でも銀メダルを手にしたパトリック・チャン(25、カナダ)が一堂に会する今回は間違いなく、歴史に残るハイレベルな一戦になるはずだ。

 これまでの男子では長く、「フリーで200点、総合で300点を超えられるか」がテーマだった。実際、13年11月のグランプリ(GP)シリーズフランス杯でチャンが記録した295.27点は、長く更新されなかった。

 ところが今季、3人の武者がその記録を次々と打ち破る。

 まず、15年11月のNHK杯で羽生が、ショートで2本、フリーで3本の4回転を成功させ、総合で322.40点をマーク。翌12月のGPファイナルでも330.43点と、自らの記録を更新した。

 今年1月の欧州選手権では、羽生と同じブライアン・オーサー門下のフェルナンデスが、ショートで2本、フリーで3本の4回転に成功。302.77点をマークし、史上2人目の300点超フィギュアスケーターとなった。すると黙っていられないのが、チャンだ。2月の四大陸選手権に出場すると、フリーで2本の4回転を含む完璧な演技を見せ、203.99点をたたき出した。

 他の選手とは一線を画す別次元へと足を踏み入れた3人だが、彼らの高得点の源は二つ。

 まずは、4回転の「数」だ。羽生は、今季の初めまでショートでは「演技後半の4回転」が課題だったが、10月のスケートカナダではこれをミス。しかもチャンに優勝を譲り、苦杯をなめる。すると、演技後半の4回転の成功はまだないにもかかわらず、更に高いレベルへのプログラム変更を決意した。

「僕にとっての成長は、そんな幅では絶対にダメだ。ショートでの4回転は2本やる。パトリックに離されっぱなしではいられません」(羽生)

 限界への挑戦は、そのまま羽生にとってのモチベーションとなり、結果は「有言実行」。

 もう一つ、300点への突破口を開いたのはジャンプの「質」。ジャンプは、「跳ぶときの入り方が難しく、飛距離・高さ・流れがあり、降り方も難しい」などの質の高いものには、最大で「+3」の加点がつく。

 チャンはスケートカナダで、4回転をショート1本、フリー1本しか入れていないが、「質への加点」で羽生を上回った。

 試合後の記者会見でチャンは、「もう24歳になる僕にとって4回転は1本で十分。フィギュアスケートとはジャンプを何本も跳べば勝てるものじゃない。技の質や滑りで魅みせたい」と強気の発言。隣で聞いていた羽生は、「質」を今まで以上に意識するようになった。

「パトリックのすごいところは、演技をまとめあげる力。もし3回転だけでプログラムを構成しても、試合の緊張感のなかでそれをプラスが付くように完璧にこなすのは、難しいことです」(羽生)

 その後、羽生が選んだのは、4回転サルコウの「入り方」と「降り方」の難易度を上げて加点が狙える技術を取り入れ、その精度を磨くことだった。

「とにかくすべての面で、ただ、強くなりたい。ひと皮むけたな、と思ってもらえるように、血の滲(にじ)むような努力をしてみせます」

 その成果は、NHK杯に続くGPファイナルで顕著に表れる。ジャンプの「質」への加点でずらりと「+3」が並び、世界最高点、つまり羽生にとっての自己ベストを330点台へと伸ばしたのだ

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