ゾゾタウンが天下のユニクロを「追い抜く」ことの現実味

ダイヤモンド・オンライン によると。

 「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は最近、急成長しているアパレルECサイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイについて聞かれることが多くなっているが、「あれは完全に(ショッピング)モールですよ」といってはばからず、暗にゾゾは《衣料品の製造販売の競争相手ではない》というそぶりを見せる。しかし、本当にユニクロのビジネスモデルはゾゾに揺さぶられてはいないのか。ゾゾにユニクロが追い越される日は来ないのか――。(流通ジャーナリスト 森山真二)

● かつては野菜や靴も売り 衣料品に特化したユニクロ

 ご存じの方も多いとは思うが、今から15年以上も前の2002年秋にファーストリテイリングはSPA(製造小売業)のビジネスモデルを応用して野菜・果物の製造販売に参入したことがある。

 当時、「フリース旋風」を巻き起こし、急成長していた「ユニクロ」だっただけに、SPAで野菜を手掛けるということで、相当注目された。

 柳井会長は自信たっぷりに「SPAのビジネスモデルを使えば野菜だって、果物だって何だってできる」として話したが、04年に撤退を発表。「ユニクロ野菜」はわずか2年足らずの運命をたどった。

 今思えばユニクロ野菜はなかなかのビジネスモデルだった。価格は割高だったが、品質への評価は高かったし、さすがユニクロと思わせた。

 しかし、「計画生産ができなかった」ため販売機会損失を起こし、子会社の黒字転換のめどが立たず撤退を決めた。流通業界ではナチュラル、オーガニックというキーワードがようやく広がり始めており、ユニクロの取り組みは少し早かったといえる。

 ユニクロは一時期、靴のSPA化にも取り組んだことがあるが、それも早々にやめて以来、脇目も振らず、衣料品一本やりに軌道修正する。
● 高い授業料を払って モノ作りの難しさを学んだ柳井会長

 柳井会長はユニクロ野菜や靴に高い授業料を払って、「モノ作りとは何か」という難しさを学んだ。

 『一勝九敗』という著書まで出し、ユニクロ野菜の失敗など多くの失敗を経験し、衣料品SPAとしての知見を蓄積してきた柳井会長からすれば、冒頭のゾゾへの「モールですよ」という発言は、《衣料品作りの何たるかが分かっていない》と言いたいのだろう。

 現状はゾゾタウンの採寸の仕組み「ゾゾスーツ」だけが“話題先行”のきらいがあるだけで、ゾゾタウン自体がショッピングモール、「乗り合いバス」のようなビジネスモデル。決して生産から販売までの仕組みが出来上がっていないと言いたそうだ。

● ユニクロと比較されるゾゾタウン 業績は好調

 柳井会長は「我々は衣料品の知見、資源をたくさん持っている」と強調し「企画から製造販売を一貫して行えるのが強み」と持論を展開する。その上で「ゾゾやアマゾンが市場をとるとは思っていないし、服を作っていくということはそんなに簡単ではない」とも言う。

 実際、店舗で販売して何が売れているか、消費者の購買行動やトレンドを読み取り、それを企画に生かし、製造に生かしていくというのがSPAのメリットだとすれば、ユニクロはそれを「教科書通り」に実行してきたといっていい。

 同じカジュアル衣料を扱っているため、ユニクロと比較され、柳井会長に批判されることが多くなったそのゾゾタウンだが、業績は好調である。

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