10月 282013
 

DAILY NOBORDER によると。

 現在の日本の男子フィギュアのレベルは、過去最高の水準にあります。4年前のバンクーバー五輪のシーズンのときよりも、さらにワンランクアップした印象です。

 たとえば、日本代表からは外れた選手であっても、ほかの国に行けば楽々と代表になれる。それほどのレベルです。しかもGPシリーズ出場選手のなかで最年長の高橋大輔が27歳、一番年下の羽生結弦が今年12月で19歳。ひじょうに狭い年齢幅のなかに、ギュッと選手たちが集中している。やっている当人たちにしてみたら「生まれてくる時代が少しでもズレていたら」と言いたくなるような、この状況をつくり出したのは、やはり羽生の存在と言えるでしょう。

 初出場した去年3月の世界選手権で銅メダル。昨シーズンのGPファイナルでは銀メダル。「トーループ」と「サルコー」2種類の4回転ジャンプを、しっかりとプログラムに組み込むことができる羽生の登場。

 そして彼に負けた悔しさによって、高橋たちの心に火が点いた。羽生の突き上げによって生まれた相乗効果が、日本男子全体のレベルを、さらに高いレベルに押し上げました。それだけにソチ五輪の3つの代表枠をめぐる争いが、日本男子フィギュアの歴史上、最も厳しいものになることは間違いありません。

 スケートアメリカでの高橋の演技は、あまり完成度が高くなかった。小塚崇彦にも同じことが言えます。ただ、そこはベテランですから。まだシーズンは始まったばかり。このままで終わることはあり得ません。現役最後のシーズンになるかもしれないだけに、悔いを残さないよう12月の全日本選手権には、しっかりと仕上げて来るはずです。

 女子については、浅田真央が200点を超える高得点をあげて優勝しました。浅田本人も「この演技でこれだけの得点がもらえるのは、すごく満足」と話していたように、フリーではいきなり転倒しながらも、いまの自分にできることをしっかりとやっていた。そういう部分に成長の跡が見て取れました。滑走全体の完成度が高くなっているから、ミスがあったにも関わらず、あれだけの高得点になったのだと思います。

 とはいえ、浅田本人にしても佐藤信夫コーチにしても、まったく満足はしていないでしょう。現段階はあくまでスタートラインであって、ソチ五輪で「ぶっちぎりで」「安心して」金メダルを獲るためには、3回転‐3回転も欲しい。トリプルアクセルを2度プログラムに組み込むことも必要でしょう。

 ただ、スケートアメリカで彼女が披露したショートプログラムは、完成度がものすごく高かった。あのショートを見たとき、ソチ五輪に向けてプログラムを改良していくだけの下地は、すでに充分とできあがっているように感じました。

 通常のシーズンだと、どの国の選手たちも3月の世界選手権にピークを持っていくよう過ごしていくのですが、今年のようなオリンピックシーズンの場合、例年より1カ月早く仕上げていく必要があります。

 それに加えて日本の場合、選手たちには世界で一番過酷と言ってよいほどの、国内での代表争いが待っています。12月の全日本選手権の段階で、自身の最高潮の状態に一度仕上げたうえで、さらに来年2月のオリンピックに調整していく難しさがあります。ですが、そうした困難を乗り越えていくことで、選手たちはたくましく成長していくはずです。

 日本フィギュア界全体の好循環がそのまま、ソチ五輪での成果へとつながることを期待しています。

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