11月 112013
 

webスポルティーバ によると。

 GPシリーズ開幕戦のスケートアメリカで、ショートプログラム(SP)、フリーとも首位の合計204・55点で圧勝した浅田真央。11月8日からのNHK杯では、さらに進化した演技を見せてくれた

 初日のSPは、後半の連続ジャンプの2回転ループが回転不足、トリプルアクセルの減点も大きく、スケートアメリカの得点を下回る71・26点だったが、浅田自身「スケートアメリカが終わってから、カナダへ行って振り付けを直してブラッシュアップしてきた部分が出せたと思う」と言うように、大きな動きで流れのある演技を見せた。

 得点こそスケートアメリカより低くなったが、「得点は試合、試合で違うと思うし、それ(高得点)を目標にしているわけではないですから……。今回は流れるようなスケーティングをプラスできて、動きもスケートアメリカよりレベルアップしたものを見せられたと思う」と、浅田は納得の表情を見せた。

 翌日のフリーでは、冒頭のトリプルアクセルが回転不足を取られた他、3回転+3回転のジャンプが3回転+2回転になり、3回転フリップがロングエッジになるなど、いくつかミスが出た。

 それをカバーしたのが、今季になってますます良さがでてきた「滑りの正確さ」だ。ジャンプのミスが続いた前半部分こそ少し単調になりそうな部分はあったが、プログラム後半になると、粘りとキレのある柔らかな滑りを披露。「自分のスケーティング技術と今の力を、全部出し切るつもりで滑っている」というステップでは、これまでの柔らかさに重厚感やなめらかさが加わった、進化した演技で観客を魅了し、最後までスピードを落とさないで滑りきった。

 また、回転不足を取られたトリプルアクセルに関しては、「スケートアメリカよりいい感じになってきています。今回はたくさんのお客さんが来てくれたので、絶対に跳びたいと思っていた。それが(完璧に)出来なかったのは残念だけど、本当にあと一歩のところまできていると思うので、焦らずにやっていけば、いずれはできると思います」と、浅田は穏やかな表情で話す。

 大会を振り返って「ショートはブラッシュアップをしてきて、さらに大好きな『ノクターン』(SPの曲)になった。技術や表現を含めて評価をいただいたと思います。フリーの方はまだ自分が目指している技術(のレベル)には達していませんが、スケートアメリカより1段、2段レベルアップできたので、GPファイナルでさらにレベルアップしたところを見せたい」と、さらなる進化を目指している。

「まだまだ納得はしていない」と言うフリーだが、得点は自己最高となる136・33。合計の207・59点も10年バンクーバー五輪の得点を上回る自己最高得点だった。

 だが、ほかの世界大会を見ても、昨年以降、以前より高得点が出る傾向になっている。その点は浅田自身も佐藤信夫コーチも承知しているようだ。

 佐藤コーチは「点数というのは、確かに数字として現れるものだが、大会によって(出る点数は)違うと思うので。それよりは技術的なことをどこまで(レベルアップ)できるかということを考えている」と語り、微笑みながらこう続けた。

「スケートアメリカに比べれば元気に滑れるようになったかなと思うし、その意味では良かったと思うが、まだ悪いところはポツポツ出ている状態。滑りのスピードに関してはもっと出せると思うし、トリプルアクセルも練習では固まってきているから、それができればと思う。試合になるとどうしても、ほんのわずかだけど力が入ってしまいますから」

 トリプルアクセルの場合、浅田にとっての「一番適切なスピードがある」と佐藤コーチは言う。だが試合になると「気持ちが高揚することもあって、それより速いスピードで入ってしまい」、着地で体が振られてしまうことがある。今回、左足のスケートが氷面をかすってしまったのもその影響だろう。滑りの改善でスピードは上がったが、局面、局面によってそれをセーブすることもできなくてはいけない。同時にこれは、さらに完成度を高めていけるということでもある。

 そんな手応えを十分に感じている浅田は、フリーの構成のレベルアップとしてNHK杯では冒頭に1回跳んだだけのトリプルアクセルを「2回入れることも考えている」ことを明かした。

「スケートアメリカが終わった後、信夫先生と話した時、自分としてはトリプルアクセルをすごく簡単に跳べるようになっていると思うから、ふたつ入れても大丈夫かなという話をしたんです。まだ一度も(通しで)練習はしてないけど、手応えとしては80%くらいかなと思っています」

 そう言って笑顔を見せる浅田は「できれば12月のGPファイナルで、それが無理でも年末の全日本選手権までにはトリプルアクセルを2回入れられるようにしたい」と、意欲を口にする。

「バンクーバー五輪から3年間、いろいろ積み重ねてきたことや経験が、今、生きていると思います」と落ち着いた表情で語る浅田。ジャンプのミスが多少出ても、改善して身につけた滑りの正確さやしなやかな表現力でカバーできているからこそ、ジャンプに神経質になり過ぎることなく、演技全体をまとめることを意識できるようになっているのだろう。

 それでも満足しないのが、浅田真央の浅田真央らしさでもある。今、彼女が目標とするのは、完璧なトリプルアクセルと、それを2回入れた完成度の高いフリーの演技。進化への飽くなき欲求を持ち続ける浅田真央のラストシーズン、まだまだ楽しみは尽きそうにない

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