2月 072014
 

日刊ゲンダイ によると。

 女子フィギュアスケートの浅田真央(23)が5日、ソチへ向かう前に成田空港で報道陣に対応。武器であるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ=3A)に話が及んだ時に笑みが消えた。

 銀メダルに終わった前回のバンクーバー大会ではショートプログラム(SP)とフリー合わせて3回の3Aを決めたが、「今年に入ってからいろいろ考えた結果、2回(SPとフリーで各1回)」と明言。「バンクーバーで3A3回という目標は達成した」とし、「(フリーは1回の方が)プログラムのバランスがいいですし、得点自体はあまり変わらないので」と回数減の理由を説明した。

■「いろいろ考えた結果」

 今季は試合で3Aを完璧に決めたことはない。スケーティングは安定しており、スピンやステップでは最高評価のレベル4を何度も得ている。女子では浅田しか跳べない3Aを3回跳ぶより、スケーティングや表現力での勝負を選択したのだろう。自身は親しい関係者にも「フィギュアスケーターの集大成として、最後の五輪では技術や芸術性、表現力で勝負したい」と話しているという。

 しかし、それが本音かどうかは大いに疑問だ。あるスケート関係者がこういう。

「3Aを1回減らしたのは佐藤(信夫)先生の指示でしょう。コーチの佐藤先生は、ジャンプばかりが注目されるスケートをよしとしない。3Aを跳ばなくても、今の真央のスケーティングと表現力があれば、他のジャンプでノーミスなら高得点が出ると考えている。今シーズンの真央は助走スピードが落ちて3Aを1回も成功させていない。ジャンプミスは技術点だけでなく、演技構成点にも影響する。リスクの高い3Aをフリーで2回跳ぶより1回にして、総合力で勝負しようということなのでしょう」

 今では佐藤コーチの方針を受け入れた浅田も、「はい、わかりました」と、すぐに納得したわけではないだろう。

 わずか12歳で3Aをマスターした天才スケーターは、このジャンプで喜びも苦しみも味わってきた。15歳でシニアデビューした05年はグランプリファイナル(GF)に優勝。19歳で迎えた2010―2011年シーズンは3Aが決まらずスランプに。バンクーバー五輪では3Aを3回成功させたが、その他のジャンプが回転不足でキム・ヨナに敗れた。

 2011年12月、GF直前に最愛の母、匡子さん(享年48)が逝去。葬儀翌日から練習を再開し、全日本選手権では5度目の優勝を手にした。

■「一番の見せ場」

 年々体は大きくなり、今季は腰痛にも泣かされてきた。それでも浅田は、「最後の五輪は笑顔で終わりたい。3Aを跳んで“やったー!”と思える演技をしたい。3Aはプログラムの中で一番の見せ場。大きな武器でもある」というほど思い入れの強いジャンプだ。「3回を2回に」との変更は受け入れ難い決断だったことは想像できる。

 別のスケート関係者は「浅田の3Aが2回になったというニュースにキム・ヨナ陣営はほくそ笑んでいるのではないか」という。

「3Aは3回転ジャンプの中では最も基礎点(8.5)が高い。各国の五輪代表で3Aを跳べるのは真央だけ。フリーで2回とも完璧に決めれば、9人の審判員に与える印象度が違う。技の出来栄えを評価するGOE(マイナス3からプラス3まで7段階)の加点も大きくなる。真央自身の気持ちだって乗ってくる。そもそもソチでの真央は、3A3回と、6種類の3回転ジャンプを8回跳ぶことを目指してやってきた。3Aの回数を減らしたということは、今も3Aに不安を抱えているという証し。表現力では定評のあるキム・ヨナは、実は3回転ルッツ+3回転トーループなどのジャンプも評価が高い。残念な決断です」

 スケート技術や演技力・振り付け、曲の解釈など、5項目を10点満点で評価する演技構成点は実績のある選手が高くなる傾向がある。この点でも浅田よりキムの方にアドバンテージがある。

 3Aにスケート人生を懸けてきた浅田真央。「安全策をとった」との印象は否めないが、リベンジの金メダルか、それとも連敗か……結果は21日未明にわかる。

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